アジア・フィルム・アワード・アカデミー(以下、AFAA)は、2021年10月8日(金)に韓国・釜山にて開催された、アジア全域版アカデミー賞「第15回アジア・フィルム・アワード」(AFA)の受賞結果が発表された。
日本からは黒沢清監督の『スパイの妻 劇場版』が、日本作品としては19年の『万引き家族』以来となる最優秀作品賞を受賞。主演の蒼井優が最優秀主演女優賞、衣装デザインの纐纈春樹が最優秀衣装デザイン賞を獲得し、3冠受賞する快挙を達成した。さらに『朝が来る』の蒔田彩珠が最優秀助演女優賞を受賞。
また、日本のほか、アジア、欧州、北・ラテンアメリカを含む70を超える国と地域の劇場で公開され、世界興行収入が4億7,900万ドル(約536億円、2021年5月24日時点)を超えた『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が「2020 Highest-Grossing Asian Film Award」を授与した。AFAAは、ハリウッド作品以外が年間興行収入全世界1位を記録するという史上初めての快挙を達成し、様々な社会現象を巻き起こすなどの実績を受けて、授与を決定した。
受賞結果は、以下の通り。
【最優秀作品賞】『スパイの妻 劇場版』(日本)
【監督賞】チャン・イーモウ『One Second』(中国)
【最優秀新人監督賞】ホン・ウィジョン『声もなく』(韓国)
【最優秀主演男優賞】ユ・アイン『声もなく』(韓国)
【最優秀主演女優賞】蒼井優『スパイの妻 劇場版』(日本)
【最優秀助演男優賞】キム・ヒョンビン『無聲 The Silent Forest』(台湾)
【最優秀助演女優賞】蒔田彩珠『朝が来る』(日本)
【最優秀新人俳優賞】リウ・ハオツン『One Second』(中国)
【最優秀脚本賞】チャイタニヤ・タームハネー『夢追い人』(インド)
【最優秀編集賞】LI Yongyi『Cliff Walkers』(中国)
【最優秀撮影賞】マスード・アミニ・ティラニ『荒れ地』(イラン)
【最優秀音楽賞】Day TAI「狂舞派3」(香港)
【最優秀衣装デザイン賞】纐纈春樹『スパイの妻 劇場版』(日本)
【最優秀美術賞】ケネス・マク『Limbo』(香港)
【最優秀視覚効果賞】ティム・クロスビー、Joy WU『エイト・ハンドレッド 戦場の英雄たち』(中国)
【最優秀音響賞】Nopawat LIKITWONG『Limbo』(香港)
【Excellence in Asian Cinema】イ・ビョンホン
【2020 Highest-Grossing Asian Film】『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』
アジア・フィルム・アワード(主催:アジア・フィルム・アワード・アカデミー)
2007年に創設されたアジア映画を対象とした映画賞。東京国際映画祭は13年より、香港国際映画祭、釜山国際映画祭と共にアジア・フィルム・アワード・アカデミーを創設し、アジアの映画業界と連携し、その年のアジアの映画人を表彰しスポットライトを当てることでアジア映画ファンの創出、世界へのアジア映画の振興、文化交流を図ることを目的とする。
text / edit:yabu keisuke