松田凌×玉城裕規『ONLY SILVER FISH -WATER TANK OF MARY’S ROOM』インタビュー

インタビュー

人気舞台の映画化作『ONLY SILVER FISH -WATER TANK OF MARY’S ROOM』。舞台とは違う物語で描かれる本作の魅力を黒ネクタイの男を演じた松田凌さん、白ネクタイの男を演じた玉城裕規さんにお聞きしました。

『ONLY SILVER FISH -WATER TANK OF MARY’S ROOM』あらすじ
とある洋館へと集められた男女。彼らの目的は”オンリーシルバーフィッシュ”という一匹の魚だった。その魚は本当の名を呼ぶことで過去を振り返ることが出来ると言われている。しかし、魚の本当の名前を知ることが出来るのはただ一人。招待状に則って行われるゲームの勝者だけだという。最初のゲームは一斉に指をさして脱落者を一人決めるというものだった。ゲーム開始直前、黒ネクタイの男(松田凌)はユキ(皆本麻帆)が誰を指そうと考えているかを言い当て、負けるはずだった ユキを救う。その後も彼女を脱落させないため、誰にも気付かれぬようヒントを与えていくが、徐々にゲームの歯車は狂い始め…。黒ネクタイの男は何故ユキが負けることを知っていたのか?そして彼らはユキを救うことが出来るのか?それぞれの過去と想いが暴かれる時、このゲームが開かれた本当の意味を知る。

白羽の矢を立てていただいた!(松田)

−−本作のお話をいただいた時はいかがでしたか。

松田凌(以下、松田) 主演という形で映画という世界に足を踏み入れることができるというのが嬉しかったですね。白羽の矢を立てていただいた!という思いもありました。

玉城裕規(以下、玉城) 映画の方は西田大輔監督の初監督作となり、どういう感じになるのだろうと。僕自身や出演したキャストみんなも、監督の作品の中でどういう在り方でいれば良いのかを考えるのが楽しみでした。

−−舞台版とキャストは同じでしたが、舞台との違いなどはいかがでしたか。

松田 緊張感が違いました。みんなが銀幕の世界で生きてきた人たちというわけではないので、映画という世界で一歩を踏み出すために手探りなところもありました。現場で各人が学んでいったものもあったし、だからこそ楽しくもあったんですが。それ相応の緊張感というのは常にありました。

玉城 僕は、最初に西田監督から「舞台とは真逆の役にしたい」と言われていたんです。そういった点で、舞台と映画は違う作品として入っていけました。

−−リープもので群像劇でもあるので、とても複雑だなと感じました。

松田 舞台ではマシューが狂っているという描かれ方をしていますが、映画ではみんなが狂っている。そういった意味で、それぞれが「狂い」を意識する必要がありました。

玉城 リープを分かっている人とそうでない人の設定を各人がしっかり演じ分けないといけない。それに加えて、それぞれがバラバラに劇中の状況を解釈しながら狂うというのが難しさでもあり、面白さでもありました。

新しいものを届けられると思います!(玉城)

−−共演者の方と盛り上がったお話などはありますか。

玉城 ……飲みの話(笑)

松田 撮影現場で深夜になった時などは、男同士では下ネタで盛り上がったかもしれない(笑)

玉城 あと、作品の解釈について、みんなで話し合っていました。やっぱり難しいので。

松田 とにかくお互いの役や劇中での立場が違うので、話し合う時間は多かったです。

−−本作を観る方にメッセージをお願いします。

松田 「斬新さ」と「狂い」のある作品です。タイムリープと魚が絡み合っているんですが、その魚を中心に織り成す群像劇に注目していただきたいです。また、僕の役は愛する人を救うために、魚に近づきます……。大事な人と一緒に観て欲しい作品です。

玉城 切り口はすごく斬新だし、本作で新しいものを届けられると思っています。舞台を観られた方はもちろん、映画だけでもとても面白い作品になっていますので、僕たちの演技と演じた役それぞれの思いを劇場で感じて欲しいです。

◯PROFILE
松田凌(まつだ りょう)
1991年生まれ、兵庫県出身。2012年、ミュージカル『薄桜鬼』斎藤一篇で初舞台にして初主演を飾る。以後、同シリーズや『Messiahメサイア』シリーズ等数々の舞台に出演し人気を博し、主演舞台の公演は毎回完売し、6,000人~15,000人を動員する。​2013年、「仮面ライダー鎧武/ガイム」(EX)に城乃内秀保/仮面ライダーグリドン役で出演し、2017年1月のドラマ『男水!』ではドラマ初主演を務める。主な映画出演作は、『メサイア-漆黒ノ章-』(2013)、『ライチ☆光クラブ』(2015)など。
玉城裕規(たまき ゆうき)
1985年生まれ、沖縄出身。2011年の舞台『少年ハリウッド』で伊達竜之介役を好演し注目をあびる。翌年、舞台『弱虫ペダル』東堂尽八役で人気を博し、2017年のドラマ「弱虫ペダルSeason2」にも同役で出演。舞台『ライチ☆光クラブ』では、作中で「奇人で変人」と描かれているジャイボ役を演じきる。辻仁成氏の初の脚本・演出作品『海峡の光』では同性愛者の役を演じ、大ヒットコミックの舞台『曇天に笑う』等で主演を務める他、2018年は、映画『ゼニガタ』や『一人の息子』に出演するなど、幅広く活躍している。

ONLY SILVER FISH -WATER TANK OF MARY’S ROOM

11月24日(土)よりシネリーブル池袋にて公開他、全国順次

(c)2018「ONLY SILVER FISH」製作委員会

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(文・大山峯正 写真・山越めぐみ)