『母さんがどんなに僕を嫌いでも』太賀×森崎ウィン インタビュー

インタビュー

親からも友達からも愛されたことがない青年が壮絶な過去を乗り越えて、母からの愛を掴み取るまでの感動の実話『母さんがどんなに僕を嫌いでも』。本作で主人公のタイジを演じた太賀さん、タイジを支える友人のキミツ役の森崎ウィンさんに本作の魅力についてお聞きしました。

『母さんがどんなに僕を嫌いでも』あらすじ
タイジ(太賀)は幼い頃から美しい母・光子(吉田羊)のことが大好きだった。だが、家の中にいる光子はいつも情緒不安定で、タイジの行動にイラつき、容赦なく手を上げる母親だった。17 歳になったタイジは、ある日光子から酷い暴力を受けたこときっかけに、とうとう家出て1人で生きていく決意をする。努力を重ね、一流企業の営業職に就いたタイジは、幼い頃の体験せいでどこか卑屈で自分の殻に閉じこもった大人になっていた。しかし、かけがえのない友人たち言葉に心を動かされ、再び母と向き合う決意をする。

涙をボロボロ流しながら原作読みました(森崎)

−−まず原作・脚本を読まれた感想をお願い致します。

太賀 最初に脚本を読みましたが、活字だったからか、悲しい物語だなと感じました。その後原作を読んで、(作者の)歌川さんの絵のタッチが本当に優しくて、あったかくて。この物語の本質はそこにあるような気がして、これなら自分が演じる糸口があるかもしれないと思いました。

森崎ウィン(以下、森崎) ポップに描かれるタッチに深みがあって涙をボロボロ流しながら原作読みました。それから歌川さんのブログもチェックして、脚本には載っていないんですが、続編まで読んでしまいました!

−−それぞれの役柄をどのように捉えられましたか?

太賀 タイジはお母さんとの関係は希薄かもしれないですけど、おばあちゃんやキミツたちの様な大事な存在っていうのが周りにいる。人に恵まれているのかなって思いましたね。

森崎 監督からは「棘のあるワードの裏にある優しさを出して欲しい」と。心のパーキングエリア的な役になればいいなと。

−−タイジは複雑な感情が入り乱れた役柄ですが、その辺りはいかがでしたか?

太賀 タイジの感情って本当いろんな方向に振り回される。でも歌川さんが感じて来られた「人生の機微」みたいなものを一つとして逃したくなかった。歌川さんは毎日のように現場に来て、お菓子や劇中にも出てくる混ぜご飯を作ってスタッフやキャストにも配ってくれたりして。普段作品を作る時に誰かの為に、って考えたりしないんですが、ご本人を前にしての演じる苦しみよりも、この人のためにやりたい、って言う方が強かったです。

−−キミツはタイジにどういうところで惹かれたと思いますか?

森崎 キミツはお金持ちで、こういう風に言ったらこう返ってくるって言うのを小さな頃から感じていたのかなと。だけどタイジだけは予測できない返しだったり。それがほっとけなかったり、もっと知りたいって思う様になったのかなと思いましたね。

現実より10センチ浮いた世界観を表現しました。(太賀)

−−御法川監督はどのような方でしたか?

太賀 監督は本当に感情表現が豊かで、僕たちの提案に賛同してくれたら「よし!乗った!」って!笑 監督からは、「この作品では現実より10センチ浮いた世界観で」ってずっと言われていたんですね。その10センチを埋める作業が自分にとっては難しくて。完成した作品を見たときに、腑に落ちて監督の提案にのってよかったなって思いましたね。

−−現場ではどのようなお話をされていたことが多かったですか?

森崎 彼女できた?とか?(笑)太賀とは僕が高校1年生で太賀が中2の頃から知っているんです。衣装合わせの時に「久しぶりー!」の次に、「10年間続けられて、また現場一緒で嬉しいね!」って太賀が言ってくれて。他のはじめましての役者さんより一歩踏み込んだ話が出来たので、ありがたい環境でした。

−−作品を通じて皆さんに伝えたいことをお願いいたします。

太賀 親子の形は10人いれば10通りあると思いますし、この映画を見て自分の家族のことを思ったり、友達のありがたさを感じたり。そういうことのきっかけになってくれればいいなと思います。

森崎 この作品を見て、急に向き合いたくなったものがあるなら、一回向き合って欲しいですね。そしてその感動を誰かに伝えて頂けると嬉しいです。

◯PROFILE
太賀(たいが)
1993年、東京都出身。『那須少年期』(08)で映画初主演を果たす。14年に第6回TAMA映画賞にて『ほとりの朔子』(14)、『私の男』(14)などへの出演が評価され最優秀新進男優賞を受賞。16年には『淵に立つ』で第38回ヨコハマ映画祭の最優秀新人賞を受賞した。ドラマや舞台、映画など活躍の場は広く、カメラマンデビューも果たしている。主な出演作品に『ポンチョに夜明けの風はらませて』(17)、『南瓜とマヨネーズ』(17)、『海を駆ける』(18)、『50回目のファーストキス』(18)など。
森崎ウィン(もりさき うぃん)
1990年生まれ、ミャンマー出身。08年にダンズボーカルユニットPrizmaXに加入し歌手としてデビューを果たす。音楽活動と並行し、ドラマや映画への出演を重ね14年に尾崎豊追悼映画『シェリー』で映画初主演を務める。18年にはスティーブン・スピルバーグ監督作『レディ・プレイヤー1』でハリウッドデビューを果たし、日本のみならず海外へも活躍の場を広げている。18年の主な出演作に『マイ・カントリー マイ・ホーム』、『クジラの島の忘れもの』など。

母さんがどんなに僕を嫌いでも

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© 2018「母さんがどんなに僕を嫌いでも」製作委員会

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(写真・金山寛毅 文・山越めぐみ)