穏やかで美しい海に囲まれた蔣淵(こもぶち)は、しかし、朝日の差さない町だった。
この町で誰からも愛された男の死によって、残された人々の運命が動き始める。
愛媛県宇和島市出身、早川大介監督の初長編映画となる今作は、故郷宇和島市の漁村「蔣淵(こもぶち)」が舞台となる。
脚本は「オリヲン座からの招待状」のいながききよたかが担当し、『風に濡れた女』等の永岡佑、ナレーターやモデルとしても活動している小園優、様々な劇団で舞台をメインに活躍する湯澤俊典、『すずしい木陰』等の柳英里紗、劇団椿組主宰の外波山文明らが出演している。
2020年6月8日(月)より、渋谷ユーロスペースにて公開。
<あらすじ>
このままじゃ窒息しそうだ——
宇和海と山に挟まれた小さな集落から、東京へ飛び出していった圭介。
ミュージシャンになるはずが大した成果も上がらないまま、
ズルズルと10年が経っていた。
ある日、田舎からの一本の電話が入る。
漁に出たまま行方不明になっていた兄の、葬式をあげることになったという。
帰郷を渋る圭介。
「ミュージシャンとして東京で成功している」と、皆に嘘をついていたからだった。
遅参した圭介を待っていたのは、兄の死で独りになった父、元妻ながら葬式を手伝いに戻って来た沙織。最後に兄を目撃したという同級生の洋、そして、洋の妹で足の悪い凪とふるさと蔣淵(こもぶち)の海だった。
圭介の帰郷をきっかけに、それぞれの思いがぶつかり始める。
凪いだ宇和海が、静かに広がっていた。
映画『凪の海』