今も鬼伝説が残る大阪の秘境・奥河内を舞台に、中村航の原作小説「鬼ガール!!ツノは出るけど女優めざしますっ!」を映画化した『鬼ガール!!』。青春がほとばしる本作で鬼瓦ももかを演じた井頭愛海さん、ももかの幼なじみ・蒼月蓮を演じた板垣瑞生さんに本作の魅力についてお聞きしました。
『鬼ガール!!』あらすじ
⻤瓦ももかは、ステキな恋、キラキラした青春にあこがれる、新高校1年生。でも彼女には、ゼッタイにバレてはならない秘密があった。それは、自分が鬼族の血をひく“鬼”であること。鬼のような天パーをストレートにし、鬼のような怪力をセーブし、興奮すると頭に生える“ツノ”もかくして生きてきた。これがもし見つかったら、彼氏も友だちもできっこない…。高校生活は、初日からドキドキの連続!にっくき幼なじみのせいで鬼のことがバレそうになったり、映画部の岬先輩からヒロインにスカウトされたり……。ソッコーで「女優になる!」と決め、岬先輩のことで頭がいっぱいのももか。あれ、ひょっとしてこれが恋ってやつ!?青春ってやつ!?しかし!映画のヒロイン決めはオーディションだった!はたして、ももかは、鬼バレせずにヒロインになれるのか?ももかの恋は、青春は、いったいどうなる!?
すごく青春だな、その上で青々しく演じよう(板垣)
—本作のお話が来たとき、またホンを読まれ、演じられていかがでしたか。
板垣瑞生(以下、板垣) すごく青春だな、その上で青々しく演じよう、と思いました。セリフを発してないシーンでも周りを見ていたり、蓮は監督として作品を撮る役柄だったので、アドリブも含めセリフにない部分をどう楽しもうかと思いました。
井頭愛海(以下、井頭) 映画の中で映画を作っていく内容になっているのが面白いなと感じました。今作の中で初めて舞台に立って、人前で演じるのは初めての経験でしたので緊張したんですが、ももか自身もきっとこういう気持ちを抱えているんだろうなと思って……。そういった気持ちを大切にしようと思いましたし、自分が感じたことのない部分をプラスにとって、演じることを意識しました。
—役作りで工夫されたところや苦労された点はありましたか。
井頭 テンションが高く、明るくて元気という役をあんまり演じたことがなかったので、常にスイッチを入れるのが大変でもあり、楽しくもありました。
板垣 蓮とは考え方も似ていたので、そういう意味で楽に臨めた部分がありました。大阪のテンポ感を大事にしたり、身体的に動きが多いなどエネルギーを使うシーンが多かったので息切れしそうになりながら演じている瞬間がありました。そういった意味では大変だったよね?(笑)。
井頭 うん(笑)。自然豊かな場所の中で、みんなが自転車を漕いでいるシーンが多々あるんです。みんなが電動自転車の中、ももかは運動神経がいいためママチャリで爆走するという演出だったので大変でした。その自転車だけのシーン撮影が3日間に渡って行われて(笑)。
神聖な場所で心が浄化されてお芝居をすることができました(井頭)
—印象に残っているシーンを教えてください。
板垣 作中で映像がスクリーンに流れる中、各人が芝居をしてというシーンは面白かったです。キャラが活きないといけない俳優力勝負みたいな(笑)。1人ずつ時間をかけて撮っていて刺激的でした。
井頭 大阪府奥河内地域の自然など、きれいで印象的なシーンが多かったんですが、最後のクライマックスの場所にもなる「観心寺」でのシーンは特に印象に残っています。装飾などもすごく素敵でしたし、何より神聖な場所で心が浄化されてお芝居をすることができた気がして、すごくいい経験になりました。
—鬼といえばどんなイメージですか。
板垣 神様!
井頭 いい意味で怖いといいますか、守ってくれるイメージがあります(笑)。
—大阪といえば
板垣 笑い。本作が大阪での撮影だからこそテンポ感など含め面白いと感じました(笑)。
井頭 たこやき!(笑)。
—本作を観る方にメッセージをお願いします。
板垣 映画館のスクリーンで大阪府奥河内地域の自然や登場人物たちの青春を全力で感じてもらえる作品になっています。元気がない方や落ち込んでいる方も僕らと一緒に青春を感じてもらえたらうれしいです。今だからこそ、映画館の音響や大きなスクリーンで体感してもらえたらなと思います。
井頭 登場人物たちが悩みや夢、やりたいことを全力で頑張っている姿をみて、一歩を踏み出したり、自分自身のことを考えるきっかけになるような作品にもなっていると思います。何より、すごく元気になれる作品ですのでぜひ映画館でご覧いただけるとうれしいです。
◯Profile
井頭 愛海 Manami Igashira
2001年3月15日生まれ。大阪府出身。2012年に『第13回全日本国民的美少女コンテスト』で審査員特別賞を獲得して芸能界入り。主な出演作にNHK連続テレビ小説『べっぴんさん』(17)、NHK土曜ドラマ『少年寅次郎』(19)、NHKドラマ10『ハムラアキラ~世界で最も不運な探偵~』(20)、2020年 CX『ラーメン大好き小泉さん二代目!』(20)。映画『鬼ガール!!』で映画初主演。
板垣 瑞生 Mizuki Itagaki
2000年10月25日生まれ。東京都出身。2015年に映画『ソロモンの偽証』では、約半年に渡る1万人を超える大型オーディションで準主役を勝ち取り、その演技が高く評価され、日本映画批評家大賞新人男優賞を受賞。2018年に映画『響-HIBIKI-』、2019年『ホットギミック』で好演し、同年には『初恋ロスタイム』で映画初主演を務めるなど昨年だけで5本の話題映画に出演。今後も数々の映画やドラマが待機する大注目のネクストブレイク筆頭俳優。現在、連続テレビ小説『エール』に出演中。
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