[インタビュー] 『ホットギミック ガールズミーツボーイ』堀未央奈×清水尋也×板垣瑞生×間宮祥太朗

インタビュー

少女漫画表現の先駆けとなった相原実貴原作の同名コミックを山戸結希監督により実写映画化された衝撃作『ホットギミック ガールズミーツボーイ』。これまでの恋愛映画とは一味違う本作の魅力について、成田初を演じた主演の堀未央奈さん、橘亮輝を演じた清水尋也さん、小田切梓を演じた板垣瑞生さん、成田凌を演じた間宮祥太朗さんにお聞きしました。

『ホットギミック ガールミーツボーイ』あらすじ
平凡な女子高生・成田初(なりたはつみ)。優しい兄・凌(しのぐ)、元気な妹・茜(あかね)と両親と、ごく普通の家庭で暮らしていた。ある日、同じマンションに住む橘亮輝(たちばなりょうき)に弱みを握られ、無茶な命令に振り回されることに。そんな時、数年前に突然引っ越していった幼馴染・小田切梓(おだぎりあずさ)が帰ってきた。人気モデルとして活躍し、遠い存在だと思っていた梓が、昔と変わらず自分を守ってくれる姿に初は自然と魅かれていく……

読みながら泣きましたし、キュンキュンもしました(堀)

–原作コミックを読まれた感想を教えてください。

板垣瑞生(以下、板垣) 普段、少女漫画をあまり読まないんです。今回、原作を読んだ時は、コミカルだけど、現実の生々しさやエグさの質感が色濃く出ていると感じました。

清水尋也(以下、清水) 少女漫画の他作品に比べて、セクシャリティな部分があって、それって嘘じゃないし、あって普通のことなので。漫画は、コメディで愉快な描写もあり、読み応えのある作品として楽しんで読んでいました。

堀未央奈(以下、堀) 少女漫画はよく読むんですけど、原作は読んだ時に感情移入して泣けるというかキュンキュンだけではなくて……。人間関係も複雑で、どうしようもないこともあるので読みながら泣きましたし、もちろんキュンキュンもしましたし、漫画というよりも小説に近い感覚で読んでいました。

間宮祥太朗(以下、間宮) 絵と全体的なテンションで誤魔化されてはいるけど、そこそこにエグいことやっているなと思いました。それが実写になった時、そのエグみが増されていて……山戸監督はここを見せたかったんだなと思いました。

悩んだからこそ、心でお芝居ができたように感じます(板垣)

–山戸結希監督の演出は独特だとお聞きしているんですが、いかがでしたか。

清水 抽象的で感覚的な演出が多く感じました。それはつまり……と聞きたくなるような。掘り下げたくなるけど、言語化できないのが当たり前なので、感覚で出てきた言葉を感覚で受け取ってどう出てくるかというのを意識しました。頭より心でお芝居をした感じはすごくありました。

 身を委ねる感じでした。まず受け入れて、自分の中で消化して演じるようと思いあえて「はい」と即答して演じていました。

間宮 俺は50回くらい流し目って言われた。今まで出演した作品の中で一番声が小さいと思います(笑)。

板垣 ふわーと空気のようにとおっしゃって。どうしよう空気…わからなくてすごく試行錯誤しました(笑)。

 空気みたいになっていたよ。ほわーっと。

一同 (笑)

板垣 悩んだからこそ、心でお芝居ができたように感じます。

意外に甘えて可愛いかもよ(間宮)

–本作を演じられて、「恋愛」に対して感じたことやどういう恋愛をするタイプか教えてください。

板垣 恋愛に対して無頓着な方だったんですが、大事なことなんだなと思えました。

清水 僕は、相手に合わせるタイプだと思います。周りから束縛だと言われても僕自身が縛られる行為、窮屈と思わないから。ただ単に約束事だと思うし、自分も嫌なことがあればいうと思います。

間宮 嫉妬は0ではないんでしょ?

清水 嫉妬すると思う。きっとする(笑)。自分が嫉妬された時、多少の嫉妬って可愛くない?だから、スパイスとしてはいいと思うので。

 私は仕事を大事にしたいので、プライベートを束縛されたくないけど、好きで一緒に居られる関係が理想です。

間宮 俺はあんまり変わんないんじゃないかな。こんな感じなんですけど、意外に甘えて可愛いかもよ(笑)

一同 (笑)

清水 めっちゃ、その間宮さん見たいです(笑)。

僕たちのフィールドは映画であって漫画とは別なので(清水)

–元々漫画原作という役のイメージのある役を演じることについて、取り組んだことや心がけたことはありましたか。

間宮 その役の原作でのイメージに対しては、あんまり気にしないようにしていて。キャスティングされた時点で、その役は俺が合っているという判断をいただいているので。合ってないと言われても、俺が変に気にするとよくないと思うんです。二次元だったものを三次元にする意味はちゃんと意識しないといけないと思います。漫画のキャラクターがそのまんまみたいじゃなくて、実際にその人がいる感じを出したいと演じていますね。

板垣 もう本当に割り切って観てほしいです。容姿など、出来るだけ寄せる努力もしましたが、漫画と映画は同じものではないので、逆に僕らがやっている意味、映像にする意味を楽しんでくれたらいいなと思います。外見や口癖など、ベースには漫画の知識は置きながらも内面や芝居は台本から読み取って役者として演じています。

清水 2人がいったように、同じじゃ面白くないというか。二次元の漫画が三次元の映画というコンテンツに変化する上で、映画だからこその部分がないと僕たちが映画を作る意味はないと思うんです。原作を三次元に落とし込んで説得力があるように変化させることは重要だと思っているんですが、基本的に引っ張られたりはしない。僕たちのフィールドは映画であって漫画とは別なので。設定などは一緒でも割り切っています。

 原作の漫画を読んでどんな子なんだろうと思って、撮影に臨むんですけど……。もちろん、漫画の絵と私の顔が全く同じなわけなく、それをなるべく再現しようとするとアニメチックになってしまうし、観てくれる人に届かなくなってしまいそうで……。オリジナルの成田初を生み出すくらいの気持ちで、どんどん追求して演じていきたいと思ったので、原作を参考にしつつも自分のアイデアを重ねていきました。

–みなさんにとって本作は、どんな作品になりましたか。

……続きは、紙面で!

(写真・山越めぐみ 聞き手・矢部紗耶香 文・大山峯正)
◯PROFILE
堀未央奈
1996年10月15日生まれ。岐阜県出身。秋元康がプロデュースする、国民的アイドルグループ乃木坂46のメンバー。2013年3月の第2期生オーディションに合格し、同年11月にリリースされた「バレッタ」でいきなりセンターに大抜擢され、現在もグループの中心的存在として活躍。映画への出演及び主演は、本作が初となる。出演作として、今年深夜ドラマ枠で放送され話題となった「ザンビ」(19/NTV)がある。
清水尋也
1999年6月9日生まれ。東京都出身。主な映画出演作に、『渇き。』(14)、『ソロモンの偽証前篇・事件/後篇・裁判』(15)、『ストレイヤーズ・クロニクル』(15)、『ちはやふる上の句/下の句/結び』(16、18)、『3D彼女 リアルガール』(18)等。ドラマ「インベスターZ」(18/TX)にて初の連続ドラマ主演を果たした他、「anone」(18/NTV)、「チア☆ダン」(18/TBS)など話題作に次々と出演。現在、『貞子』(19)、『パラレルワールド・ラブストーリー』(19)が公開中。待機作に、ドラマ『サギデカ』(NHK/8月31日(土)21時〜OA)、映画『甘いお酒でうがい』(20年公開)がある。
板垣瑞生
2000年10月25日生まれ。東京都出身。数々の映画やドラマに出演し、ネクストブレイク筆頭株として注目を集めている。これまでの代表作として、『アオハライド』(14)、『響-HIBIKI-』(18)がある。また『ソロモンの偽証前篇・事件/後篇・裁判』(15)では、約半年に渡り1万人を超える大型のオーディションから準主役を勝ち取り、その演技が評価され、日本映画批評家大賞新人男優賞を受賞。待機作として、初主演を務める『初恋ロスタイム』(19年9月20日)が控える。ボーカルダンスグループM!LKのメンバーとしても活動中。
間宮祥太朗
1993年6月11日生まれ。神奈川県出身。中学時代に読者モデルとして芸能界入りを果たし、ドラマ「スクラップ・ティーチャー 教師再生」(08/NTV)で俳優デビュー。映画、ドラマ、CMと多彩なジャンルで活躍する若き実力派俳優の一人。これまでの出演作として、『希望の国』(12)、『高台家の人々』(16)、『闇金ウシジマくん ザ・ファイナル』(16)、『帝一の國』(17)、『お前はまだグンマを知らない』(17)、『トリガール!』(17)、『不能犯』(18)、『食べる女』(18)、『翔んで埼玉』(19)などがある。

『ホットギミック ガールミーツボーイ』

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 (C) 相原実貴・小学館/2019「ホットギミック」製作委員会

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